21:名無しNIPPER[saga]
2018/12/14(金) 23:32:23.93 ID:wXX+fiS7o
学校で同じ趣味を持っている仲間がいたのがとっても嬉しくて、部活動にも入っていなかった私は放課後、
先生と一緒に教室でアイドルソングを聴いては語り合う日をしょっちゅう過ごしました。
「見てください、これ。レコードよりもバックバンドがかなりアップテンポです」
「わっ、本当ですね……」
「それでもきっちり『ゆれて湘南』を歌い上げるあたり、さすがの一言です。直前のMCも実にヒデミちゃんらしいですよね」
「とっても楽しそうですよね♪」
自分で言うのも何ですが、先生は私に負けず劣らずのレトロアイドルファンで、
時々こうやって先生のスマートフォンから、当時のライブ映像なんかを見せてもらったりします。
大好きなアイドルや歌のことについて、お母さん以外の人と気の済むまで話し合うのがこんなに楽しいことなのかと、
そのときは学校に行くのが嬉しくて嬉しくて仕方ありませんでした。
クラスの友達に「ハスミン、放課後残って何してるの?」などと聞かれもしましたが、勉強を見てもらっている、という口実で十分でした。
いつしか資料置き場となっている空き教室を借りて、残してあった古いレコードプレイヤーを引っ張りだし、先生が持ってきたレコード盤を一緒に聴いたりもしました。
私の家にもあるもの、ないもの、限定版のプレミアもの、先生はそれはもう色んな種類のレコードを持っていて、私には尊敬の念しかありませんでした。
レコードを取り出すたびに目をきらきらさせて喜んでいる私を見て、先生も楽しんでくれていたようです。
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