8: ◆FreegeF7ndth[saga]
2018/12/09(日) 13:04:21.52 ID:fZLSzMfRo
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そのあと、プロダクションに行くと、モモカちゃん、キョーコちゃん、ユカちゃんの三人が、
なにやら自主レッスンしているのを見かけた。
――私が 呼んだら 今すぐ 来てね♪
あ、アタシたちの歌――明日また会えるよね、だ。
それで、ラ・ロズレのよしみで声をかけてみた。
すると、シキちゃんをちょっと警戒しつつ――今までさんざん匂いをクンカクンカされてるから――
アタシたちのほうにやってきた。
もしアタシが同行してなくてシキちゃん一人だったら、
あの三人から避けられちゃってたかな? それはさすがにないか。
「フンフンフフーン♪ ……邪魔しちゃったかな?」
「いいえ、ちょうど一息入れるところでしたので」
「もしよろしければ、見ていただけませんか?」
アタシとシキちゃんは、
モモカちゃん、キョーコちゃん、ユカちゃんの自主レッスンを小一時間ぐらい眺めていた。
「こうしていると、アタシたちがお姉ちゃんで、あっちのみんなが妹みたいだね」
「シキちゃんは、ユカちゃんと同じ年だけどね」
「まぁまぁ」
アタシたちは繋いでいた手をほどいて、三人の自主レッスンに合いの手を入れたり、
ときには自分の体でお手本を実演したりした――ここでシキちゃんの才能が光る。
モモカちゃんの『ラヴィアンローズ』、キョーコちゃんの『恋のHamburg♪』、
そしてユカちゃんの『恋色エナジー』のボーカルとダンスのデモを、
なんと持ち歌の当人たちより早くコピーしちゃったんだ。
「どう? モノにするまでは行かないけど、コピーだけならここまでイケるよ♪」
「す……すご、い、ですわ……」
さすがの実力に、シキちゃんのセクハラ被害者だったモモカちゃんも感嘆の眼差し。
シキちゃんがダンスで鎖をカチンカチンさせてたのも、ぜんぜん気にしてない。
シキちゃんも、後輩アイドルからの称賛がよほど嬉しいのか、はしゃぎはじめて、ダンスを手取り足取りしてた。
まぁ、シキちゃんは『教える』というのが大のニガテだから、
『教える』というより一緒に踊ってるって感じだったけど。
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