ターニャ・フォン・デグレチャフ「座薬型、演算宝珠……?」
1- 20
32:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/09(日) 01:21:00.30 ID:qy0gTOWh0
「そんな! こんなのあんまりだ!!」

実験は終わったのに、あまりに酷い結末。
この幼気な少女がこれまで頑張って耐えてきたのは、こんな終わりを迎える為ではない。
輝かしい未来の為、その身を捧げたのに。

「私は一体、何の為に……?」
「大丈夫ですよ、少佐殿」
「セレブリャコーフ少尉……?」

慈愛に満ちた副官の声で、過ちに気付く。

「すまない少尉。貴官の手を汚してしまった」

最後まで上官の肌を守った副官。
その両手は、尿で汚れていた。
今現在も、指の間から尿が溢れている。

(取り返しのつかないことをしてしまった)

よりによって大切な副官におしっこをひっかけてしまうなんて、忸怩たる思いだった。
しょんぼりと項垂れていると、こう諭された。

「小官は気にしておりません」
「しかし、私は貴官の手に……」
「全然汚くなんてありませんよ」
「セレブリャコーフ少尉……」
「少佐殿は、ご立派でした。帝国の誉れです」

ジンと、目頭が熱くなった。本当に嬉しい。

「……ありがとう、少尉」
「デグレチャフ少佐は、本当にご立派でした」
「……うん」
「少佐殿は、とっても良い子です」
「……うん」
「少佐殿は、とても偉いお方です」
「……セレブリャコーフ少尉」
「はい、何ですか?」
「貴官は……慰めるのが、上手いな」
「思ったことを口にしただけです」
「そうか……貴官が居てくれて、良かった」
「はい! 私はずっと少佐殿のお傍にいます!」

嬉しい誤算もあるものだと、心から思った。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
61Res/72.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice