【シャニマスSS】甜花「シンデレラと」夏葉「サンドリヨン」
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155: ◆/rHuADhITI[saga]
2018/12/17(月) 04:31:13.63 ID:VbCE5XXv0

夏葉「ラストシーンの演出が出来なくなった……?」

小道具「そうなの、そうなのよ……」

ミーティング室は重苦しい雰囲気に包まれていた。

夏葉さんは、憤りを隠せていない。

小道具さんは泣きそうな顔でオロオロしている。

他の人達は、その二人のどちらかに近い表情をしていたか、もしくは悔しそうに俯いていた。

自分は……分からない。

小道具「そ、その……気づいたらこうなってて……! 昨日までは、ちゃんとしてたのに……!」

机の上に置かれているのは、粉々に砕かれた手の平サイズの装置。

ラストシーンの仕掛け、その内側バルーンを割るためのスイッチだ。

演出家「破壊された上に丁寧に水にまで浸してある。それに加えて、巧妙に隠されていた」

演出家「今から修理するのは不可能。仕掛けを作動させるのも不可能だ」

演出家「よってラストシーンは、煙の演出は無しで行う」

義姉2役「そんな……!」

役者の一部が悲痛な叫びをあげる。

同じ気持ちだ。

それ以上の気持ちだ。

自分はシンデレラに、自分自身を重ねていた。

ラストシーンは、そのシンデレラが信念を得て、ガラスの靴を返す大事なシーンだ。

王宮に行く道を諦めて、姉との再会を願い、歩き始める為のシーンだ。

シンデレラが歩き始めれば、自分だって歩き出せる気がしているのだ。

だから、そのシーンが完璧に行われないのは、我が身が裂ける様に思えてしまう。


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