【モバマス】水曜日の午後には、温かいお茶を淹れて
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49: ◆Z5wk4/jklI[sage saga]
2018/12/16(日) 22:34:11.76 ID:/MDiOILR0
はぁとさんはいつもの口調に戻っていた。私たちも思わず笑顔になる。
私にはなんだか、はぁとさんが今までで一番輝いているように見えた。
両の足でまっすぐ立つはぁとさんは、今までに見たどんなはぁとさんよりも、美しかった。
「新曲上等だっつーの! あのプロデューサーの言う通り、全員であの曲スウィーティーに完成させて、フェスでファンの皆のドギモ抜いてやんよ☆」
私たちははぁとさんに大きく頷く。
「よかった、はぁとさん!」
美穂ちゃんが嬉しそうに笑う。
「うんっ! 冬に向けて、がんばろうっ!」
「くるみ……不安だけど、みんなとだから、ぷろでゅーしゃーのくれたうた、頑張る」
「調査の必要もないわね……この五人なら、問題ないもの」
私たちは誰ともなく手を前に出して、五人の手を重ねる。重ねた手が、ぐっと沈んだ。
「絶っ対! 曲完成させて、プロデューサーに届けるぞ!」
はぁとさんの声が響く。
「おおーっ!!」
高く手を掲げた私は、ううん、私たちはみんな、プロデューサーさんに届けるつもりで、大きな声をあげた。
ちひろさんが、私たちのことを、いつもの穏やかな笑顔で見守ってくれていた。
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そのあと、プロデューサーさんが無事に病院に搬送され、今は安静にしていることが伝えられた。プロデューサーさんはもう、お仕事に戻れる状態ではなかったけれど、プロデューサーさんはずっと、こういう事態が起こったときの準備をしていたんだろう。すでに、冬のフェスまでのスケジュールを完璧に用意してくれていた。
私たちは冬に向かって、走り出す。
私たちの夢を叶えるために。
プロデューサーさんの希望を叶えるために。
5.佐藤心 Gloriosa グロリオーサ(栄光) ・・・END
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