勇者「最期だけは綺麗だな」後編
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49: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2018/12/23(日) 01:12:25.88 ID:V6ahP/vyO

巫女「何故?」

猿王「期せずして協力関係になっていたわけだが、吾輩は人間の為に戦うつもりはない。この魂は友の為にある」

猿王「行動を共にしたとして、もしお前に何かがあっても、吾輩は友を優先する」

猿王「そこに差異があれば協力関係など容易く崩れる。安易な真似は首を絞めるだけだ。邪魔をしない。それが、互いに出来る最大の協力だ」

巫女「……」

猿王「……巫女よ、目的は違えど行き着く先にある未来は同じだ。健闘を祈る。さらばだ」

飛び立つ背には有無を言わさぬ覚悟があった。それは、過去に何度も見たことのあるものだった。

巫女は此処には居ない彼に思いを馳せ、飛び去る姿を見届けると、空を見上げたまま語り掛けた。

巫女「僧侶、聞いていたのなら分かると思うけれど、猿王は私達の敵ではない」

僧侶『良かった……』

巫女「ただ、猿王と行動を共にすることは出来ない。私が龍に接触するのは難しくなった」

僧侶『じゃあ、こっちに一度戻ってーーー』

巫女「それは出来ない。私は龍を、貴方達は勇者を、そう決めたはず。例の教皇庁の部隊は?」

僧侶『情報通り、北の山村に向かって進軍してる。辿り着くまであまり時間は掛からないと思う』



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