勇者「最期だけは綺麗だな」後編
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50: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2018/12/23(日) 01:15:21.12 ID:V6ahP/vyO

巫女「勇者は」

僧侶『いる。勇者が部隊を率いてる。でも、相変わらず魔女の姿が見えない。勇者の近くに存在を感じるのに……』

巫女「では、現れるのを待つ?」

僧侶『ううん。待っている時間はないよ。予定よりも早いけど、私達は部隊を何とかする。その間に龍をお願い』

巫女「もう、動けるの?」

僧侶『動けるって言ってるよ?』

巫女「違う。彼には聞いていない。貴方にはどう見えるのかを聞いている」

僧侶『ご、ごめんなさい。私から見ても大丈夫だと思う。でも、こんなやり方ーーー』

巫女「それはもう何度も話し合った。結果、貴方はそれを受け入れ、貴方は授けた」

僧侶『……』

巫女「おそらく、これが最後の戦いになる。僧侶、貴方も覚悟を決めたはず」

僧侶『……うん。そうだね。もう迷っている時間なんてない。やるしかないんだから』

巫女「やれる?」

僧侶『うん、大丈夫。ありがとう』

巫女「では、私も機を見て動く。僧侶、貴方に幸運を」

僧侶『貴方にも幸運を……じゃあ、またね』

そう言い終えると音声は消えた。すぐにでも動き出すのだろう。それ程までに進軍は早いようだ。

巫女もまた、北の山村へと向かった。戦いの終わりと、彼の生きる未来を胸に抱いて。



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