勇者「最期だけは綺麗だな」後編
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47: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2018/12/23(日) 01:07:46.79 ID:V6ahP/vyO

巫女「龍を存続させることは可能なの?」

猿王「勿論だ。封印はいずれ解ける。それは龍自身が誰よりも理解していただろう。それ故の継承なのだ」

巫女「(継承。龍はあの力を……継承の仕組みを熟知している?)」

猿王「継承の術は龍にしか分からないが、吾輩は友として、何としても目覚めさせる」

巫女「出来るの?」

猿王「出来るさ。お前や吾輩よりも賢い小さな友に助言を貰ったからな」

巫女「助言?」

猿王「吾輩を思い出すまで待つ。まだ残っているはずだ。でなければ、吾輩を呼ぶわけがない」

巫女「危険過ぎる。何か策をーーー」

猿王「如何なる策も力の前には意味を成さない。それにこれが三度目、次はないだろう」

巫女「でも貴方、魂が……」

猿王「それで良いのだ。もとよりこの世界で生きようとは思っていない。吾輩の生は戦と共に終わっているのだからな」

巫女「……」

猿王「話せて良かった。正直な話、此処へ来てからと言うもの寂しくて仕方がなかったんだ」

猿王「吾輩を知ってる者も、吾輩が知る者もいない。こうして過去を語れる者もな……」



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