13: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2018/11/30(金) 00:36:00.65 ID:ACoeMgAUO
【#3】星
「……んぅ」
少女は森にいた。
どうやら気を失っていたようで、巨大な岩の上に横たえられた状態で目が覚めた。
空は夕暮れ間近、早く帰らなければと立ち上がったが、地面はかなり離れている。
岩の上を歩き回ってみたが、安全に降りられる場所はない。
何故こんな場所にいるのだろうと疑問に思ったが、少女に衣服に付着した汚れの方が気になった。
(汚しちゃった。お姉ちゃんに怒られるかもしれない……)
そんなことを考えながら汚れを叩いたが全ては落ちず、少女は途方に暮れる。
此処が何処かも分からぬまま座り込み、再度、何が起きたのかを思い返す。
友達と遊んでいたこと、内一人の男の子が森に落ちた星を見に行こうと言い出したこと。
大人に見付からないように隠れて街を抜け出したこと、森の近辺で魔物に遭遇したこと。
魔物が自分を追ってきたこと。明確に死を意識したこと。眼前に迫った牙。
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