11: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2018/11/30(金) 00:21:09.53 ID:ACoeMgAUO
そうしていれば、未然に防げたかもしれない。
しかし他の児童の話では、始めは普通に遊んでいたが、内一人が突然言い出したのだという。
その児童の両親が我が子を連れて来て何度も謝罪したが、彼女の耳には何も聞こえなかった。
地面に額を擦り付けて謝罪する父親を見ても、許してと懇願する母親を見ても、父の平手打ちを食って泣く子供を見ても、彼女の体は冷え切ったままだった。
その後ろで、兵士達が話している。
魔物から逃れたのだとしても、あの小さな体では遠くまでは行けない。女児の体力を考えれば、そう長くは持たない。
季節は冬間近。日が暮れるのは早い。一刻も早い救出が求められる。
捜索範囲の拡大が議論され、森の捜索も視野に入れることとなる。
議論の末、夜までに見付からなければ捜索は中断、明日の朝から捜索を再開することが決定した。
その旨を報告された時、彼女は自ら捜すと言い出したが、当然のように止められた。
その場では大人しく従ったものの、収まりがつくものではなかった。
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