10: ◆IULkuZ.Noal.[saga]
2018/11/30(金) 00:20:01.89 ID:ACoeMgAUO
しかし翌日、異変が起きる。
男女合わせて六名の児童が、夕暮れ時になっても家に帰って来ないという。
その児童達は、街の私塾や教会の創設した学び舎に通っていたため、帰り道に行方知れずとなったと考えられた。
常駐する兵士達が街の隅々まで捜索したものの発見には至らず、街の外に出た可能性があるとして、速やかに街周辺の捜索が開始された。
幸運なことに五名は無事に保護されたが、残った女児一名だけが見つからなかった。
保護された五名の説明では、数日前に森に落ちた星を見に行こうとしたようだ。
その途中で魔物に遭遇、六名は散り散りになって逃げ出したという。
聖水は所持していたようだが、あまりの恐怖で混乱し、それどころではなかったようだ。
叱りながらも安堵の涙を流す両親達の傍で、顔面蒼白のまま兵士の説明を受ける女性が一人。
彼女は涙さえ流さなかった。全身の血液が凍て付いたかのように硬直している。
彼女は後悔した。
昨夜、妹が友達に誘われて遊びに行くと話した時、何処に行くのか聞かなかったことを。
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