17: ◆xxLVUHZFyEbH[sage saga]
2018/11/24(土) 21:30:57.09 ID:jfv827hPo
ダンスレッスンを始めて間もなく、美希は困っていた。
練習についていけないわけではない。むしろ、練習は至って順調だ。
問題は、トレーナーが美希に課したレッスンが、いつの間にか明らかに高度な内容に差し変わっていた事だ。
体に疲れが蓄積し始めたので、美希は不快だった。
休憩時間にプロデューサーから差し出された水を手にとりながら、美希は文句を言った。
「そこの人、こんな難しいレッスンしてたらミキ疲れちゃうよ。先生に言ってほしいな」
「プロデューサーだ。まあ、確かに難しいレッスンだな」
「だよね、おかしいよ!だから、ね?」
「だけどな、まだまだやれるはずだ。美希、尻の筋肉使ってないだろ?」
「セクハラなの!」
「落ち着け!ふくらはぎばかり使ってたらすぐ疲れる。もっと大きな筋肉も使うことを意識するんだ」
「そうすれば疲れない?」
「ああ、疲れないように動くと変に負担がかかって逆に疲れることもある。覚えておくといい」
「ホントに?騙してないよね」
「信じてくれ」
美希がむくれていると、トレーナーが現れてプロデューサーを連れてどこかへ行った。
3分ほど経って戻ってきたプロデューサーが美希に言った。
「休憩は終わりみたいだな。美希、頑張るんだぞ」
「どういうことなの!?そこの人、先生に何を吹き込んだの!」
「人聞きの悪いことを言うな!ただの雑談だよ。美希、さっき俺が言ったようにやってみるんだぞ」
レッスンを再開して間もなく、美希にはある変化が起きていた。
体のバネを使うようにして足をさばいてみたところ、あまり疲れないことに気づいたのだ。
足だけでなく、手や腰、全ての動きに同じことがあてはまった。
プロデューサーを時折確認すると、嬉しそうに美希を見ていたが、くすぐったい気持ちになるのでその度美希はそっぽを向いた。
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