まゆり「あなたは誰ですか?」岡部「……ッ」
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29: ◆/CNkusgt9A[saga]
2018/11/20(火) 22:14:38.85 ID:TX6juVmuo

診察室



心理士「岡部さん、ご心配おかけして申し訳ありませんでした。思った以上に深刻な症例です」

岡部「そう、ですか……」

心理士「とりあえず精神安定剤と睡眠薬は処方しておきますが……本当に彼女は過去になにか他人に攻撃されたことがある、というわけではないのですね?」

岡部「ええ、一応……」


 言い淀んでしまったが、この世界線上においてはそうなのだ。まゆりは誰にも命を狙われていないし、命を奪われていない。しかし、リーディングシュタイナーのことを説明したところで信じるべくもない。


心理士「おばあ様との死別の苦しみは乗り越えたとご本人様から伺っています。実際、お話をした中でもそのように感じました」

岡部「はい。それは、間違いなく」


 たしか、α世界線でタイムリープマシンが稼働可能になりそうな頃合いにまゆりとそんな話をした。小学生の頃にタイムリープするとしても祖母にどうしても会いたいというわけではないと言っていた。それはこの世界線においても同じだろう。


心理士「幻覚や妄想を見ているわけではなく、あくまで夢。トラウマも、日々のストレスもない。そうなると、一体なにが原因で悪夢障害に……ブツブツ」


 まるでまゆりが悪夢の魔物に取り憑かれたかのようだ。リーディングシュタイナーは、確かにα世界線ではまゆりを救うために必要な力を俺に与えてくれた。だが、この平和なシュタインズゲートにおいては、その力は悪魔以外の何物でもなかった。
 俺がまゆりに何をしてやれるだろう……。医者でもダメなのに、一介の大学生なんかに、なにが……。
 いや、何を弱気になっているのだ。俺は鳳凰院凶真。混沌を望み、既存の支配構造を破壊する者、だろう? そうだ、やってやる。俺がやらなくてはならんのだ。こんなものを俺は望んでいない。まゆりは―――俺の人質だ。



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