彼女は窓フェチの変態だった
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4: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/12(月) 20:49:47.44 ID:/ibNvBIF0

 それは、何処かで聞いたことのある響きだった。
 思い出されたのは、気まぐれに受けた教養科目の授業の風景だ。
 教養科目の単位は既に足りていたが、仲の良かった誰かがラテン語の授業を受けたいと言っていて、自分も興味を惹かれたので受講していた。

『何で受けようと思ったんだよ』
『生物の学名にはラテン語が使われてるでしょ? そこから興味もったんだよ』

 覚えていることは、教員がホワイトボードに聖書の一節を書いたことと、俺の隣に座っていた“誰か”が教員に当てられ、その訳を答えたことだ。

 クォ・ヴァディス。何処へ行くのか。

「僕の行方は誰にもわからないし、何処から来たのかさえ曖昧だ。だけれど、そんなことはどうだっていい」

 クォ・ヴァディスの微笑みは天使のように美しいが、秘める妖しさはまるで悪魔だ。



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