2: ◆O3m5I24fJo[saga]
2018/11/12(月) 20:48:32.98 ID:/ibNvBIF0
「やあ」
青年は微笑んで口を開いた。
まるで昔馴染みの友人に話しかけるかのような、明るい声色だ。
黒い髪は微妙に青みがかっていて、この世のものとは思えないほど顔立ちが整っている。
瞳も似たような色をしていて、とても日本人の姿には見えなかった。
かといって、外国人の顔というわけでもない。地球人でさえないのかもしれない。
「ようこそ。ここは心象世界。眠っている間だけ訪れることができる場所」
心象世界――心象風景が描かれた世界ということだろうか。
眠っている間だけ来ることができるというのなら、夢の世界と同義ではないだろうか。
それとも、単なる夢とは異なるのだろうか。
疑問に思いつつも、俺は何故だかそれを口にすることはなかった。
既に答えを知っているような気がした。知ってなどいないのに。
それより、俺は青年のことが気になった。
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