【モバマス】時子「30mmの彼方から」
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41: ◆Ava4NvYPnY[saga sage]
2018/11/03(土) 19:51:40.88 ID:1iL2fWn50



トレーナー「財前! 昨日言ったことがまたできていないぞ。遅れている。うまくやろうとしなくていい、自然にやるんだ」

時子「……」

トレーナー「お前らしさってのを、みせてやるんだ」

トレーナーの声が、意識の中をすり抜けていく。

あの日、あの事務員に言われたことがずっと心の奥に刺さっているせいだ。

――偽物は、アイドルになれない。

アイドルは偽物だ。私にはそれがわかる。

あの佐久間まゆというアイドル。彼女は確かに、偽物だった。

距離を測り、勝手に私という人間のどこまで踏み込んで良いかを探って、心地良い位置に佇もうとする。そこで、穏やかに手を振ろうとする。

それが、心底不愉快だ。

私の不調を悟ったのか、トレーナーは一度肩の力を抜き、こちらにタオルを投げた。

トレーナー「いったん休憩にするか、財前」



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