33: ◆Ava4NvYPnY[saga sage]
2018/11/03(土) 19:40:02.40 ID:1iL2fWn50
時子「それであなたに、何か不都合があるのかしら?」
まゆ「あります」
きっぱりと言い放った彼女に、私は一瞬でも戦いた。
まゆ「プロデューサーさんは、まゆをアイドルにしてくれた人です。あの人が傷つく姿を、まゆは見たくありません」
まゆ「まゆは、プロデューサーさんのためにアイドルをしているんです」
彼女のその言い方が、嫌に耳に障った。
時子「聞いてあきれるわね。拾ってもらえたから、それに恩義を感じて尻尾を振るの? そんなの、何も考えない人形と同じじゃない」
まゆ「同じじゃありません」
まゆ「まゆは、まゆが望むとおり、あのひとが喜んでくれるまゆになりたいんです」
時子「……っ、」
声が出なかった。目の前の少女が叫ぶその意味は、あまりに重い。
言葉の一つ一つはあまりに単純だ。
だが、そこに込められた彼女の気持ちだけが、ただまっすぐで、健気で、理解できないものだった。
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