【モバマス】時子「30mmの彼方から」
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27: ◆Ava4NvYPnY[saga sage]
2018/11/03(土) 19:33:27.04 ID:1iL2fWn50

――このくらいできないでどうする。

――財前の娘だろう。

――全然なってない。こんなのじゃよそ様に紹介できない。


時子「……黙りなさい」

朧気な記憶を振り払うように、私は瞑目しながら呟く。

時子「……嫌なことを思い出したわね」

財前の娘として。

このくらいがどうしてできない。

今も時折耳にする、あの声。

私は努力してきた。全てにおいて、財前の名に恥じぬように。

だからこそ、私は何においても他を制するほどの実力を手にしたのだ。

スポーツや教養だけでなく、社交界において常識とされる趣味まで何もかも。

本物を見極め、偽物を排し、それなりの審美眼も養った。

その中には歌も踊りもあった。そこでも当然、私は上り詰めたのに。


時子「そんな私が、どうして……っ」


?「あ、あの、大丈夫ですか……?」




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