13: ◆XUWJiU1Fxs
2018/10/31(水) 02:26:54.08 ID:rpP0yHwMo
「「「かんぱーい!!」」」
ビールが注がれたグラスが重なり心地いい音が響く。
「ふぃー……最高」
今日もいろいろあって身体はすっかりお疲れモード。そんな時に飲むキンキンに冷えたビールはまさに殺人的だ。
「あれ? ピー助ビール飲めたっけ? 成人式の時は飲んでなかった気がするけど」
「昔はな。こんな苦いの誰が飲めるんだって思ってたけど、社会の波にもまれていくうちに美味しさがわかったというか」
いつしか苦さが癖になってくる。これが大人になる、ということなのかもしれないな。
「あんま飲みすぎるなよー?」
カミさんはというと最初に軽いチューハイを飲んで以降はウーロン茶をチビチビと飲んでいる。あんまりお酒に強くないのもあるし、酔っ払った奈緒はそれはもう……今話すことでもないか。あまり他の人には見せたくないし。
「でもピー助君がアイドルと結婚したなんてねー。みんなビックリしてたんだよ?」
割烹着姿の梅ちゃんが空になったグラスにビールを継ぎ足してくれる。彼女も俺達と同じでこの街で育った幼馴染で、今は親の跡を継いでこの小さな居酒屋を切り盛りしている。子供の頃は遊び終わった後にお店に来て、おばさんに賄いを出してもらっていたっけか。
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