志希「ありすちゃんが」文香「作詞でお悩み」桃華「ですの」
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◆FreegeF7ndth
[saga]
2018/10/27(土) 19:25:37.56 ID:1EFzBOMso
●02
ありす「それで、文香さんと志希さんが私の元に……」
文香「一人で詞について悩み続けていては、
隴西の李徴のように、虎と成り果ててしまうかもしれません」
志希「よかったねありすちゃん! 文香センセイがお悩み相談に乗ってくれるってよ!」
桃華「あまり投げやりになさらず。わたくし、志希さんに期待しておりますのよ?」
志希「え? やった! 桃華お嬢様からご期待されちゃたとあっちゃあ、
志希ちゃん、ドーパミンびんびんだよ!」
文香「さて、ありすさんのお悩みなのですが……
『作詞をしてみたら、小論文みたいだ』とからかわれた、
ということでよろしいですか?」
ありす「……ええ、まぁ。子供っぽい悩みでしょうか」
志希「それで、詞らしい詞をパパーッと一句ひねって見返してやりたいとか?」
ありす「そこまでは言ってませんよっ」
桃華「そういうことなら、例えばわたくしたちの歌の歌詞を真似してみればよろしいのでは?
レッスンでも、最初はうまい方の真似から入ることですし」
ありす「真似、ですか。試しに、歌詞を手で書き写してみますか?」
「in fact」作詞:Maiko Fujita
https://i.imgur.com/lfXVy4o.jpg
https://i.imgur.com/izU2ed8.jpg
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https://i.imgur.com/CMLL8x1.jpg
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https://i.imgur.com/kaGtCpM.jpg
ありす「……自分で言い出しておいてなんですが、これって意味があるんでしょうか?」
文香「文章の解釈を深くするために、それを書き写すという手段はよく使われます。
ですが、ただ書き写すだけでは手間がかかりますね……少し検討してみましょう」
文香「ありすさんは、今Aメロを書き出しましたね。
この中で『詞らしい』あるいは『小論文らしくない』と思った部分はありますか?」
ありす「構成が……小論文らしくありませんね。テーマに対する論証がありません。
小論文なら『本当の私を誰も知らない』というテーマのあとに、
なぜそうなのか、事例や証明が続くはずです」
志希「うんうん。桃華ちゃんは?」
桃華「ありすさんが挙げた以外ですと、『本当の』とか『ざわめく』とか。
語義のあいまいで感覚的な言葉が『小論文らしくない』と思いましたわ」
志希「今ね、ありすちゃんと桃華ちゃんがさりげなく使った『論証』とか『語義』とか、
そのあたりにもイロイロとごまかしがあって――」
文香「――その話は、真面目に語ると本が何冊ぶんにもなるので、
今は割愛しましょう。作詞の話ですよね?」
志希「……まぁ、文香ちゃんがそういうなら、いいけど」
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