3: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2018/10/17(水) 00:16:36.26 ID:mLeBP0lF0
「ーー腹、減ったな」
そういえば昼頃にゼリー飲料を口にしてから、飲み物以外は何も口にしていなかった。
忙しかったために何かを食べる時間が取れなかったのである。
4: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2018/10/17(水) 00:17:32.10 ID:mLeBP0lF0
音の主は綺麗な長い黒髪をなびかせながら歩いてくる、一人の少女。
「ただいま。お疲れ様、プロデューサー」
「おかえり、凛。直帰するはずじゃなかったのか?」
5: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2018/10/17(水) 00:18:20.50 ID:mLeBP0lF0
「そっか……今日の仕事、問題なかったか?」
「特に問題はないよ。長引きはしたけど、特に滞りもなかったし」
「それは何よりだ。何なら、家まで送って行こうか?」
6: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2018/10/17(水) 00:18:46.96 ID:mLeBP0lF0
彼女の視線は、俺のデスクの横に設置されているゴミ箱の中身に向けられている。
今日はゴミの日だったのもあり、ゴミ箱の中身は意外と少ない。
紙くずが少しと、昼間のゼリー飲料の空容器だけである。
7: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2018/10/17(水) 00:19:53.66 ID:mLeBP0lF0
「この調子だとずっと書類にかかりっきりで、まだ晩御飯も食べてないんでしょ」
「ーーなぜ分かった?」
「はぁ、全く……長い付き合いだもん、何となくだけど、分かるよ」
8: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2018/10/17(水) 00:21:18.44 ID:mLeBP0lF0
……
9: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2018/10/17(水) 00:22:17.34 ID:mLeBP0lF0
「お、チャーハンか」
10: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2018/10/17(水) 00:22:54.62 ID:mLeBP0lF0
言っているうちに、俺の腹の虫が粗相をした。
食べ物を見ただけでこの有様、相当俺の腹は限界に近かったと見える。
「……食べていいか?」
11: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2018/10/17(水) 00:23:50.68 ID:mLeBP0lF0
パラリとした米の山を崩しながら、一口。
「……うまいな」
胡椒がよく効いている。チャーハンといえば中華だし、というイメージがあった俺には新鮮な風味だ。
12: ◆VnQqj7hYj1Uu[saga]
2018/10/17(水) 00:24:34.98 ID:mLeBP0lF0
「参った。予想以上だよ、凛」
「これからは、ちゃんとご飯食べること。わかった、プロデューサー?」
「善処する」
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