【ミリマス】「プロデュース適正検査シミュレーション?」
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◆Xz5sQ/W/66
[saga]
2018/10/23(火) 00:14:54.17 ID:MEY+96OV0
俺は思わず口走りそうになった言葉を慌てて飲み込んだ。
――危ない危ない。ここでシミュレーターの世界だとか何だとか、
余計なことを言って真面目な彼女の機嫌を損ねるのはきっと悪手。
例え再現された相手だとしても無駄な墓穴は掘りたくないものなぁ。
だから、まるで疑わしい物を見るような紬の視線を自分から逸らすために、
俺は大袈裟に両腕を広げると周りを見渡しこう続けた。
「見てごらんよ、こんなに白一色だから随分な山奥にも感じるけど……。
案外、帰り道は近くにあるかもしれないよってね。雪は道を隠して景色を変えちゃうから」
すると、俺の後から辺りを見回した紬は怒ったように目を細め。
「つまりあなたはこう言いたいのですか? 私が隠された道にも気がつけない程観察力の無い人間であると――あっ!」
……いや、そういうつもりで言ったんじゃないぞ?
ところが、彼女はこっちに弁明の機会も与えないでそのままある一点を指さした。
導かれるように迷いなく示された場所を見れば、そこには何かがポツンと雪に埋もれかけていて。
「見まっし、前言を撤回なさるなら今のうちです」
ふふん、と御立派なドヤ顔だった。
そこはどうも俺が目を覚ました時に居た場所のようで、
大きなリュックが白くなりながら地面に転がっていたのである。
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