晶葉「できたぞ助手!アイドルがどんな恥ずかしい質問にも答えてくれるスイッチだ!」
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10:名無しNIPPER[saga]
2018/09/01(土) 11:22:31.69 ID:BVb833NT0
晶葉「そうか。では明日の今頃、またラボに来てくれるか。たぶん縛り首になった私がどこかにぶら下がっているだろうから、菩提を弔ってほしい」

P「そんなに切羽詰まってんの?」

晶葉「今回ばかりはガチのガチだ」

P「マジか……しかしな、社会人には仕事というものがあるんだ。いきなり長期休暇は取れないし、そもそもこのシェルターのデザインが気に食わないというか、この隔壁のツラ構えはどこからどう見ても、内部で非人道的な人体実験が行われてるとしか思えないんだが……ちなみにシェルターの呼称は?」

晶葉「Vault346だが?」

P「こんな所にいられるか! 俺は事務所に戻るぞ!」

晶葉「待ってほしい、助手。よく考えるんだ。その選択で本当にいいのか? 次の土日が休みなのは知ってるぞ。久々の連休で何をする?」

P「そ、それは……その日の気分と体調で……」

晶葉「その日の気分と体調? 明日は久しぶりの休みだウェーイwww奮発しちゃうぞーwwwって盛り上がってコンビニでビールと焼鳥をたらふく買って、時間も年齢も気にせず暴飲暴食し、二日酔いと胃もたれのダブルパンチで最悪の朝を迎えるだけだろう? そんな体たらくで充実した休日が過ごせると思ってるのか?」

P「やめろ。心に刺さるからやめてくれよ……ていうかなんで前の休日のこと知ってるんだよ……」

晶葉「時間は取り戻せないんだぞ? 限りある時間を助手は何度無駄にしてきた? スマホをペチペチして気づいたら夕暮れだったことは? ネットの海に意味も目的も理由もなく、ただぷかぷか浮かんで、マウスをカチカチするだけじゃないのか? 自炊するつもりだったはずがタイムセールを逃し、売れ残った半額惣菜を能面のような顔で何回レンチンしてきたんだ? 動画配信を見ながら食事をして、PCの電源を落として、散らかり放題の部屋が無音無明になった瞬間、ああ、パソコンと同じように俺の人生も電源を落とせたら、なんて思ったことがあるんじゃないか?」

P「あああああああああ! ああああああああああああああああ! 頼むからやめろくださいいいいいいいいいいいい!!!」跪いて顔を覆う

晶葉「なあ、助手。最後に仕事の付き合い以外で他人にメールをしたのはいつだ? プロデューサーではない助手のメールボックスには何が入ってる? 近況報告はあるのか? 昔の友人が今何をしているのか知っているか? たまり続ける広告メールを消す気力もないまま、惰性でスマホを充電して、やってくる月曜日を前に無理やり目を閉じ、お前はこれからあとどれだけ、今日も一日を無駄にしたと思いながら、最後に洗ったのがいつかも思い出せない、汚い枕に顔をうずめるんだ?」

P「やめろっつってんだろテメェ! 俺が好きでそんな生活してると思ってんのか!? 社会人なんてクソくらえだ! 春休みも夏休みも冬休みもありゃしない! 時間をカネで切り売りして! 心と体をすり減らして! スキマ時間をネットとソシャゲで潰すだけの人生!

 通販でポチったアイテムをダンボールから出すことすらおっくうで! 部屋を埋め尽くすアマゾンのニヤついたロゴを眺めるだけの日々! バベルのごとく積み上がる新品の本とマンガとゲームとプラモとDVDを横目に、ゲームのイベントで時間をすりおろす休日!

 レコーダーのHDDはとっくにパンパンで……見たいのに見る時間がない! いつか見よう見ようと思っていた動画が数年も前に配信終了していたときの、あの言いようのない虚脱感! ああそうさ! なにかしたいのに、なにかしなきゃいけないのに、なにもできずに一日が終わる! そんな毎日をもう何年も繰り返して……俺だって、俺だって遊びたいさ!」

晶葉「つまり、時間がほしいんだな?」

P「時間が欲しくない社会人が日本にいるわけねえだろ!?」

晶葉「そんな助手にかつてない朗報。二日間しかない休日が、一ヶ月のバカンスに。そう、Vaultならね」

P「いやさすがにそれは不可能じゃ……」

晶葉「私が誰か忘れたのかね、助手? 私の辞書にも不可能の文字はないのだ。単純に核シェルターを作るだけでは、私の欲求は満たされなかった……そこで助手から借りたマンガのあの部屋を再現しようと思ったのだ」

P「二日間を一ヶ月間に……まさか、精神と時の部屋……!?」

晶葉「ふははははは! ご明察! といっても、あそこまで時間を加速させることはできなかったが……ただ原作とは違って空気も重力も地球と同じだ。室温と湿度もしっかり設定してあるし、もともとがシェルターだから、人間が長期間、健康的に生活するために必要な施設が全て揃っている。外に出られないのと太陽がないことを除けば、インドア派の助手には軽井沢よりも快適なバカンスを約束するぞ」

P「だが待ってほしい。ワールド・ワイド・ウェブに呪われた現代人にとって、ネット環境から一ヶ月間も切り離されることは、社会からの解脱にも等しい。悟りを開くにはこの身は煩悩にまみれ過ぎている……四八時間が七五〇時間にまで加速されるということは、相対的に回線速度が死ぬということではないのか?」

晶葉「そこに気づくとは流石だ、助手よ。実験でもシェルター内の回線が50Mbpsから2Mbps前後まで低下した。動画を見るには心もとない数字だ。しかし心配ご無用! 私は即座に回線速度の増強に踏み切り、あらゆるコネを使った結果、アナコンダの如き通信ケーブルをシェルターにブッ刺すことで実測1Gbpsを達成したのである! これで加速中でも60Mbpsは出る計算だ! 好きな動画配信サービスを好きなだけ堪能するがいい!」

P「嘘だろ……見たかったあの長編アニメが! とんでもない話数の海外ドラマが! Vtuberの配信が! 一ヶ月間も快適な環境で見れるなんて……そんなっ!」

晶葉「そして極上のホームシアターシステムがすでに構築済みである! 奏、小梅、涼の三人にも大好評で、戦争映画では亜希が太鼓判を押し、比奈も某戦車アニメの爆音上映にはご満悦だったぞ! 地下だから防音も完璧。どんなにボリュームを上げても絶対に壁ドンされない! 並の映画館では考えられないゴージャスでボリューミーなサラウンドを、最高級のソファで独り占め! どうだ、助手! お前のなけなしの休日をここで過ごしたくなってきただろう!」

P「最高だぜ晶葉! まゆと二人きりという条件がなければ、今すぐにでも荷物をとってくるんだけどな!!!」

晶葉「ここまでお膳立てして首を縦に振らないとは……私の命がかかってるんだぞ? そんなにまゆゆさまが信用出来ないのか?」

P「まゆはちょっぴりアレだけど、常識あるししっかりしてるし、それにいざとなるとポンコツだから全く心配してないんだが……」


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