41: ◆K3Kbcj/nTY[saga]
2018/08/31(金) 21:50:51.96 ID:fSt5IFCp0
紅莉栖を凝視するダル。
あわあわと全身が震え、今起きている状況の絶望感をひたすらに感じている紅莉栖。
そしてそれをどうにもすることができない俺。
五秒、十秒と流れただろうか。
誰も声に出せない中、沈黙の後、最初に口を開いたのはダルだった。
何故か息を吐き姿勢を正して服を整え、メガネの位置を片手でスマートさながら調整し、ただ一言。
「写真おk?」
その言葉ともに送られたサムズアップへの紅莉栖の反応は、ネコもびっくりするほどだった。
「わあああああああああ鬱だあああああ死ぬうううううう――!!!!」
突然大きな声を上げてラボを飛び出したのだ。
多分、ダルに見られたことで我に返り、今までの事を冷静に思い直したのだろう。
「おい待て紅莉栖!!! その服で外に出るつもりか!?」
流石にそこまで錯乱していなかったのか、紅莉栖はどうやら屋上に向かっていったようだった。
「というかなんで牧瀬氏メイクイーンの制服来てるん? もしかしてバイトするとか?」
その様子を見てダルが俺に訊いてくる。
紅莉栖が騒ぐのは割と慣れてるところもあってか、極めて落ち着いているようだった。
しかし俺の方は内心穏やかではない。
それまでの経緯全てを知っている身からすれば、悶え死んでいてもおかしくない。
一刻も早くなだめに行かねば。
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