39: ◆K3Kbcj/nTY[saga]
2018/08/31(金) 21:48:23.04 ID:fSt5IFCp0
言葉通り、キッチンでやかんに水を入れて火にかけた紅莉栖だが、突如何やら考え出すような仕草を見せた。
「紅莉栖、どうした?」
ソファに座っていた俺からは表情は隠れている。
何か心配事でもできたかと思い、咄嗟に近づいて訊ねてみる。
「ふむん。確かアキバではこういう時、儀式上必要なことがあったのよね。なんだったかしら」
「……すまん。俺にはわからない」
なんだ?
メイド服を着てやかんに火をかける行為がアキバの中でメジャーなシチュエーションだとは到底思えないのだが。
いや、ダルであれば即座に元ネタから解説を始めそうだが、生憎俺には全く覚えがなかった。
「えーと、なんだっけ――ああ、そうだわ! 確かこんな感じだったはず!」
未だ悩む俺の置いてひとり答えに思い至ったらしく、キッチン下の収納の戸を開ける。
そこは備蓄用のカップラーメンが置いてあるところだ。
余裕のある時にはカップラーメンの他にもお菓子やら他のレトルト製品やらも置いているのだが、現在は二種類の味のカップラーメンのみという寂しいことになっている。
と、そこまで言って思い出す。
カップラーメンの味をまだ指定していなかったのだ。
そうなると、次の紅莉栖の言わんとする台詞も大方想像できる。
有名な範囲で、更にアキバ慣れをそこまでしていない紅莉栖が知っている事と言えば――。
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