【シュタゲ】相似感情のウィンドミル
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35: ◆K3Kbcj/nTY[saga]
2018/08/31(金) 21:42:58.09 ID:fSt5IFCp0


「ええ。もし鳳凰院凶真の言葉だったら、私は今絶対に着ていなかった」
「俺の言葉、か」
 難しい話だ。

 俺がそうしてきた理由とは全く異なるが、紅莉栖もまた、科学の世界で戦っていく中で少なからず他者に対して仮面をかぶることを選んだ。

 そうしなければ、あの世界でやっていけなかった。


 最高の能力の代償がそれなのだとしたら、神とやらも些か意地が悪すぎる。
 なにせ、紅莉栖自身には何の落ち度もないのだから。


「岡部ってさ、優しいのよね」
「……別に、優しくしようと振る舞っている訳じゃない」

 長く、果てしないα世界線でのループ。

 その中で感じた紅莉栖という人間の美しさ、格好良さ……そして大切さ。
 それを経験している以上、不確定なシュタインズ・ゲートに居る俺はどうしても気にかけてしまっているのかもしれない。

 もう二度と失いたくない、その一心のせいか。



 実際に紅莉栖はそれを完全に感知していた。

「岡部が経験してきた別世界線の記憶は私にはない。厳密に言えば霞のようにあるようで無い」
 穏やかな声色の中に微かに交じる、悔しそうな声。


 それを打ち消すように、紅莉栖は俺を真っ直ぐに見て続ける。
「でも……なんだろうね。私にとって初めて会った時から、不思議と岡部と話しているととても暖かいのよ」
 普段はあんなにむかつくのにね、とまで付け加えて、おどけたように笑った。





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