34: ◆K3Kbcj/nTY[saga]
2018/08/31(金) 21:41:44.45 ID:fSt5IFCp0
なんとなく紅莉栖の視線が俺も座るように言っているように思えて、俺も続いて紅莉栖の隣に座った。
そのついでに紅莉栖のおかげで手に入れた扇風機をこちら側に向ける。
二人で、緩やかな扇風機の風を浴びていた。
「しかし、それにしてもよく着たな、その制服」
これまで紅莉栖のスカート姿は記憶の限りでは見たことがない。
扱いは大丈夫なのかと思ったが、スカートをちゃんと下側に畳んでおり、ソファに座った時に広がらないようにしているので心得はあるのだろう。
「ん。……まあ、恥ずかしいのは事実。でもね――」
あんたが着て欲しいって言ったから。
そう、紅莉栖は言った。
「ならばダルがもし着て欲しいと言ったら」
「絶対着ない」
冗談めかして言うと、紅莉栖はきっぱりと拒否をした。
「あ、別に橋田がダメなわけじゃないの。彼も悪い人じゃないのはラボに居てよくわかる」
流石にダルにキツく当たり過ぎだろうと思ったのか、紅莉栖は続けてフォローする。
「ただ橋田は……ね」
「……うむ」
普段とちがってスカートを履いているせいか、どことなくおしとやかな口調で理由を端的に述べる紅莉栖。
具体的なことは言わなくても間違いなく通じるあたり、ダルの普段の言動があまりにもHENTAIなのはもはやラボの常識だといっても差し支えない。
「でもあんたは、私が本当に嫌なことはしない。私の本当を、ちゃんと理解する。……それに、岡部自身の言葉だったってのもある」
「俺の?」
一瞬解釈に戸惑ったが、すぐに理解する。
鳳凰院凶真ではなく、岡部倫太郎の言葉。
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