【シュタゲ】相似感情のウィンドミル
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32: ◆K3Kbcj/nTY[saga]
2018/08/31(金) 21:38:59.28 ID:fSt5IFCp0



 驚きでうまく見れなかった紅莉栖を、今改めて見てみる。

 白と黒をバランスよく配置したオーソドックスなメイドスタイルでありながら、没個性にならないように各所に赤のラインを取り入れた目を引くデザイン。
 そして店のコンセプトである個性的な尖った大きな黒い猫耳。

 まゆりやフェイリスのように女性的なスタイルとは違うものの、長い髪と綺麗な目、そして二人にはない高い身長からくるスレンダーなスタイルが紅莉栖だけの特徴的な美しさを描いていた。



「………何か言ってよ」
 口を動かせど未だに言葉の一つも言えずに居た俺を見て、紅莉栖が小さく呟いた。

 そうだ。
 俺が見たいと言ったのだ。

 紅莉栖が今こうしてメイド服を着てくれたのは、俺の選択によるものなのだ。
 であれば、その選択の責任を取らなくてはならない。

 羞恥心で顔から火が出そうになるのをなんとか堪えて、”岡部倫太郎”として声を出す。


「すごく……いい、と思う」
 我ながらつまらない言葉だと思う。
 もっと伝えたい言葉があるのに、どうしても喉で引っかかってしまう。

 だが今だけは。
 今だけはそこで止まってはいけない。

 こんがらがって解けない言葉の群を、必死に紐解いて声に出す。


「あ、いや。違う。――俺のためにわざわざ着てくれてありがとう。紅莉栖が思う以上に似合ってるし、可愛いぞ」

 その声に、紅莉栖の肩が小さく跳ねた。






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