【シュタゲ】相似感情のウィンドミル
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20: ◆K3Kbcj/nTY[saga]
2018/08/31(金) 21:23:54.01 ID:fSt5IFCp0


  *


「……ふう、やっとついたな」
 微妙に軽い金属音をたててドアを閉めると、見慣れた景色が眼前に広がる。
 抱えていた戦利品を玄関に置くと、ようやく一息できる、と大きく息をついた。



 現在時刻、午後五時。


 アキバ上空は陽が傾き始め、夕方、そして夜へと変貌しつつある頃だ。

 気温も下がってくる頃合いだが、いかんせん湿度があるため汗がでるのは変わらなかった。

「そうね……ごく短い距離なのに、すっごく疲れた」
 後から入ってきた紅莉栖も心底疲れた表情で背中を丸める。戦利品を持っていたのは俺なのだが、まるでずっと持っていたかのような疲労感である。


 代わりに紅莉栖は何やら行きには無かった紙袋を持っている。

 紅莉栖に聞けば、フェイリスから店の試作品のお菓子だそうだ。今日のお礼も兼ねて、らしい。
 お礼を言いたいのはこちらの方なのだが……。


 紅莉栖は今、普段どおりの改造制服を着用している。
 遠くからでも見つけられる、見慣れた紅莉栖だ。

 そんな彼女を見ていると、メイクイーンでのことが嘘だったのではないかとさえ思えてしまう。



 ――あの後のことは、想像以上に瞬刻の出来事であった。






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