19: ◆K3Kbcj/nTY[saga]
2018/08/31(金) 21:23:10.08 ID:fSt5IFCp0
続いて俺は着替えるまでの間、店内へと案内される。
俺がよく座る席は既に他の客が使用していたので、別の目立たない席へフェイリスが誘導してくれた。
しかし椅子に座っても紅莉栖の事が気になりすぎて、何も注文をする気がおきなかった。
それを理解しているのか、何も注文を訊かず立ち去って――かと思えば、不意にフェイリスは振り返り、不敵な笑みを浮かべた。
「……楽しみだね、キョーマ?」
「んなっ!?」
楽しみなどではない、と言いたかったが、数分前の言葉と矛盾してしまう。
「ニャンニャニャーン♪ しばし待たれい、なのニャ!」
そう言い残して優雅に去っていく。
フェイリスはやはり強敵である。
有効な手立てなく、俺はフェイリスの言葉をそのまま受けることになってしまった。
「……ううむ」
着替えるのに何分掛かるのだろう。
待っていると色々考えてしまうのに、何故か店内に流れる喧騒が全く耳に入らなかった。
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