17: ◆K3Kbcj/nTY[saga]
2018/08/31(金) 21:22:07.17 ID:fSt5IFCp0
だがそれは、α世界線だけの関係だ。
この世界線では、別世界線での情報を説明していることや紅莉栖にとって俺が命の恩人であるという情報を加味しても、俺と紅莉栖はただのラボの知り合いなのである。
シュタインズ・ゲート世界線では未来は何も確定していない。それは紅莉栖の気持ちにも当てはまることだ。
そして、これまで通り俺が紅莉栖とそこまでの仲になることが必ずしも良いとは限らないことも意味していた。
紅莉栖はまさしく天才だ。世界を変えるほどの技術理論を持っている。
このまま順調に行けば、例えタイムマシンでなくても、医学など様々な分野で革新を起こすに違いない。
彼女は、そんな素質を秘めている。
……そんな人間と、ただの理系大学生である俺が共に生きる未来が、紅莉栖にとって幸せとは断言できない自分がいるのだ。
だから、そういう感情は持ち込まないようにしていた。
もし未来が変わったとしても、隣に俺がいなかったとしても、紅莉栖が幸せであれば、それでいい。
そう思っていたのに――まさか無意識に漏らしてしまうとは、いよいよ女々しいと言わざるを得ない。
笑われてもしょうがない。
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