丹生谷「勇太をなんとしてでも独占したい!2」
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25: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 19:53:23.02 ID:YDitP8hM0
第3話「魔女との出会い」

イチャコラ話もそこまで遠くない距離だったのでもう駅近くの街についてしまった。
丹生谷「この辺お店多いわね」
勇太「ああ確かにな」
見渡すとここを象徴する不気味なオブジェのほかに、
人通りの中からファッションの服屋や肉まんを売る小さな店もとうに明かりがついて店員もちらちら見えて、
レストランに人が半席以上埋まっていたり旅行代理店にもそうで、
気が付いたら来店客が溢れるほど目に見えるすべての店は本格的に開いていた。
11時超えたのか?そういう時間帯なんだって感心する。
勇太「ふ〜ん」
丹生谷「ねえ、あのラーメン屋さんの看板のマーク可愛いよね」
勇太「ユーモアがいいって意味ではいいんじゃない?」
丹生谷「誰が作ったんでしょうね、あれ?」
勇太「さあ、工場系の部門じゃないか?」
丹生谷「......」
勇太「......」
丹生谷「へえあんなところにケーキ屋さんあるんだ」
勇太「チョコレートケーキ売っているな。丹生谷好きか?」
丹生谷「ううん。違うわよ。でもとってもおいしそうよね。可愛く飾られてて」
勇太「でもさ、ああいうところって有名じゃないしおいしくない割にはぼったくりだよね」
丹生谷「う、うん。そうよね」
勇太「ほら。あの店だって、高い割には量少なそう」
丹生谷「......」
勇太「それに」
丹生谷「あの、富樫君。お腹空いてない?」
勇太「ううん、全然。今はまだ大丈夫」
丹生谷「そうなの......」
しばらく無言の時間が流れる。丹生谷は話す言葉がなくなったのか黙っている。
だけどこの静かな空間で、喋らなくてもいいって制約からの解放した肩も上げられるような環境が好きだ。
二人で平行して歩くけどこうしているもいいなって思える。

ん、変だぞ。丹生谷の様子がおかしい。なんだろう。さっきのほわほわした優しい笑顔の雰囲気が消滅して、
何やら下を向いて頭が曇った感じがするのだが。
それも少しだけ、いや結構不機嫌なオーラになってないか!?下を見ると拳が震えてるし!
まずいよこれ!確実に怒ってる!!!!!俺何かした!?もしや自分の身が帰れなくなるかもしれない。
でもだからって「何か怒らせることいたしましたか?」って言うと殴られるよな絶対。
まーた俺何か言っちゃいけないこと言ったの!!?でも悪い気はしないよな。
ええと、さっき何話したっけ......?町の光景あって、ラーメンして、俺にご飯のこと聞いて。あっ......。
勇太「丹生谷、もしかして......お腹空いてる?」
その言葉を聞いて丹生谷の顔がパアァと明るくなってめちゃくちゃ元気になった。
丹生谷「うんうん!!!!!!!!すごいじゃないやるじゃない!!!!!!!!
富樫君!!!!!!!!!!!すっごーい!!!!!!!!!!!」
両手を握られてぶんぶん上下に振り回されてる握手状態だ。
勇太「あれ?う、うん。ありがとう。いたいっ!いたい!」
丹生谷「すごいじゃない!!!!えっ!!何で分かったの!!?」
勇太「それは、丹生谷がお腹空いたって聞いて来たからてっきり......」
丹生谷「やるじゃない〜富樫君!!!!」
勇太「いや〜当たり前のことをやったまでだよ〜」
丹生谷「すごーい!頭出して頭!」
勇太「ええ、恥ずかしいよ///。それになんだか幼稚園児扱いされて腹立つ」
丹生谷「はい!頭!」
勇太「んっ」
丹生谷「よしよしよしよし!!!ワンワン成長しているわねよしよーし!!!偉い偉い!」
勇太「きゃははっ!!や!!くすぐったいよ!きゃきゃ!」ワシャワシャワシャ!!!
丹生谷「よしよしよしここがいいのよね〜!よしよし」
勇太「やはははっ!!」
丹生谷「あーここね。一番!!!」
勇太「やー!はははっ」
こんなことしてくれるって丹生谷ってすっごい良い奴だったんだな。
俺のこと気遣ってくれるし、俺に特別だし。すごくいい人だったんだ!
勇太「はぁ......」
丹生谷「ふう......はい。これでよし」
ポンっと頭を叩いた丹生谷の笑う顔が眩しい。
勇太「俺、偉い?」
丹生谷「うん!こんな彼氏なかなかいないわよ〜!
察してくれる男の子って女子からモテモテなのよすごいじゃない!よくモテるって言われない?」
勇太「ありがとう!」
嬉しい。ガチで嬉しい!褒められた、褒められたぞ〜〜!!!!
今体が天に昇っているよ!今まで生きててよかった〜!神様仏様ありがとう!!一生恩にきる!!!!!
勇太「あの。すまんごめんな!!空腹だなんて、今まで気づかなくて。ははっ......」
丹生谷「 あ? 気づくの遅すぎ。もっと早く気づきなさいよねぇ......!」
あれ、さっきの笑顔.......。
勇太「あの......食事はどこに.......したいですか?」
丹生谷「は?考えてないの?」
えっ......。
勇太「え〜と、ですね」
どこだ。どこだ。見当たらない。誰だよ!丹生谷を天使って言ったやつ!あんな奴全然違う絞め殺してやる!


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