27: ◆DGwFOSdNIfdy[saga]
2018/10/15(月) 08:21:04.66 ID:zkoIYrCSO
真宮寺邸のどこか。夢野が落ち着き無く周囲を見回しながらうろついている。
夢野「そういえば、トイレがどこにあるか知らんのじゃった……ん?」
ピアノの音に気付く夢野。
夢野「…赤松はトイレの場所を知っているかのう?」
夢野がエントランスホールにやって来ると、赤松は一旦手を止める。
赤松「夢野さん。どうしたの?」
夢野「トイレを探してさ迷っていたのじゃ。赤松、どこにあるか知らんか?」
赤松「うーん、ちょっと分からないや」
夢野「そうか…」
赤松「役に立てなくてごめんね」
夢野「うむ、案ずるでない」
夢野はその場から立ち去ろうとするが、赤松が演奏を再開するとつい足を止めて聞き入ってしまう。
シロ「にゃあ」
いきなりピアノの蓋が閉じる。
1秒あるか無いかというくらいの僅かな間の沈黙と静止を経て、おもむろに赤松が自分の両手を顔に寄せる。その指は噛みちぎられて長さが不揃いになっていた。
赤松「あれ?…無いね」
赤松は心底不思議そうに、短くなった指を動かす。そして右手で鍵盤に触れ演奏を試みるが、当然上手くいかない。
夢野「あ、あ…んあぁ…」
その後ろでは夢野が腰を抜かしてぶるぶる震えている。
シロ「にゃあ」
再びピアノの蓋が閉じる。赤松の右手首から先が食い切られる。彼女の表情が徐々に歪んでいく。
赤松「ひっ…ぅ、あぁ…」
赤松「いやあぁぁぁぁぁ!!」
夢野「んあぁぁぁぁぁ!!」
悲鳴に呼応するかのようにピアノが牙を剥き、赤松の頭にかぶり付く。
夢野は失神して、近くの台とその上の金魚鉢を巻き込んで倒れる。
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