倉石「石澤! SからE! そしてXだ!」
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45:名無しNIPPER[saga]
2018/08/27(月) 22:42:22.74 ID:RXNMxkAFo

 試合で破れた時、いつでも甘えることが出来る存在は不要。


 これが、彼女が出ていった理由だ。
 母親に甘えたい時期の娘に対して、あまりに酷な話だろう。


 彼女が出ていった後の娘は、ひどい有様だった。
 だが、それも当然だろう。
 母親が、急に居なくなってしまったのだから。
 しかし、娘は、母親ではなく……自分を責めた。


 バドミントンで――試合で負けたから。


 ……と。
 母娘の関係よりも、バドミントンの存在が上に位置している。
 彼女と娘は、とても仲が良く、二人が笑っている姿は、理想的なものに見えた。
 だが、繋いだその手の反対には、常にラケットが握られていたのだ。


 バドミントンさえ無ければ。


 こう、何度思ったことだろうか。
 バドミントンさえ無ければ、今でも、普通の家族としてやっていたのかも知れない。
 そして、それは有り得ないと、すぐに首を振る。


 バドミントンなくして、彼女は彼女足り得ない。
 母親が存在しないのに、娘が存在出来るわけがない。


 勿論、娘にバドミントンをやらせないという道もあった。
 彼女の手にはラケットと、反対の手に、娘の手が。
 そして、娘の反対の手には、情けない父親の手が握られていたのかも知れない。
 でも、そうはならなかったし、誰だってそうしようとは思わないだろう。


 娘の球が、ネットを越えて彼女の元へ返った時の、あの二人の顔を見たら。


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