46:名無しNIPPER[saga]
2018/08/27(月) 23:29:57.24 ID:RXNMxkAFo
彼女が出ていってから、娘はバドミントンにのめり込んでいった。
シャトルのように飛ぶのではなく、ただ、深く……深く、沈み込むように。
彼女が居た頃とは別人のように、淡々と、黙々と。
娘は、そうする事で母親が帰ってくると信じていたのだ。
その姿は、とても痛々しいものだった。
だから、止めようとした。
バドミントンは、もう辞めなさいと言おうとした。
言おうとしたんだ……言おうとしたんだよ!
そんなの、当たり前だろう!?
……でも、言えなかった。
娘のためを思って家を出た、彼女の思い。
母親を思って強くなろうとする、娘の思い。
噛み合っていないようで、バドミントンを介してきっちりと噛み合っている。
彼女達は、こういう形でしか、母娘としていられないとわかっていたから。
子は、親に似る。
娘は娘で、彼女の‘普通の’娘でいる才能が無かったのだ。
どうして、こういう所ばかり似てしまったんだろう。
背が低いとか、そういう所ばかり……。
いや、それは今考えても、仕方のない事だ。
だって、もうそろそろ――
「ゲーム! マッチワンバイ、神藤!」
――娘が、ここへ来るから。
おめでとうは、笑って言ってやりたいじゃないか。
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