4:名無しNIPPER
2018/08/22(水) 18:19:14.37 ID:Lk7EkXPWO
自分が矮小な人間だと自覚したうえで、前世ではなく僕自身を評価されたかった。
僕を見る彼らは、僕では無い彼を見ていた。
そんな僕の孤独を理解してくれたのは、神南佐和だった。幸運なことに、彼女は隣の家に住む幼馴染みだった。
陳腐な言葉で言えば運命か、彼女の前世は僕の妻だった。そして、前世でもそうだったように、今生でも絶世の美女だった。知り合ってから今に至るまで、彼女に告白してきた男子の数は覚えられないほどだった。
中学生の頃、興味本位でお互いの前世書を見せ合うことになった。感覚的には、他校の友達に卒業アルバムを見せるようなものだ。
「私の前世で誇れるのは、君と結婚できたことくらいだね」
「そうかな。そんなことないと思うけど」
「それ、見たでしょ?」
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