6:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:56:30.09 ID:P0z5mZ13O
「本当はそんなにできないけど…でも、誰かに期待されると頑張っちゃうんです。」
経験を積んで自信に満ちているように見えた君でもそういう風に思っていたことはこの時知った。
ひたむきに努力する姿を見て、それでも理想に負けそうになって折れそうになって、でも俺の、ファンの期待を軽く上回るパフォーマンスに目を奪われっぱなしだったよ。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:57:13.50 ID:P0z5mZ13O
「名前で呼んでください。」
最初は苗字で呼ばないと怒ってきたくせにいつの間にかそう言ってくれるようになったよな。
いつの間にか俺だけじゃなくて仲間にも、ファンにも名前で呼ばれることを嫌がらなくなった。
アイデンティティの一つとして認めるようになった。
自分の嫌いだったところを好きになれる人はそういない。本当に強い子だ。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:57:46.56 ID:P0z5mZ13O
「これから頑張るのは…誰かの憧れになること。パーティーの主役になります!」
そう決意した君の笑顔は…正直ドキッとしたな。
一回り以上離れた子に対して持ってはいけない感情を抱いたんだ。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:58:26.72 ID:P0z5mZ13O
「私、アイドルのお仕事楽しいです。」
知ってるか、ああいわれた時めちゃくちゃ嬉しかったんだぜ。
一人前の女の子じゃなくて、一人前のアイドルになるってセリフ…さ。
いろんな感情が込み上げてきたよ。アイドルを大好きになってくれもした。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:59:00.95 ID:P0z5mZ13O
他にも、いくつも記憶は浮かんでくる。思い出す必要もない。
そうしなくても頭に出てくるくらい俺の脳裏に刻まれてるんだ。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 12:59:34.44 ID:P0z5mZ13O
「もう一度言っておきます。いつか、私が本当に大人になる時、その時まで待っていてください。」
こう言われたのは彼女の小学校の卒業式の日だったか。
あの時の彼女は真剣に、そう本当に真剣に俺の目を見てそう言ったんだ。
透き通った茶色の瞳、若干揺れ動いて潤んでいたな。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 13:00:16.31 ID:P0z5mZ13O
「まだまだ子供ですけど…大人になったら、見てくれますか。」
彼女の卒業式の一年後、そう言われたっけな。
実はさ、君にずっと目を奪われてたんだよ。隠してたけどな。
サラサラした髪が揺れててさ、君はなんてきれいなんだろう。
そう思ってしまったんだ。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 13:30:11.89 ID:P0z5mZ13O
「LMBGのみんなといた時間は…かけがえのない宝物です、解散した今でもこれ以上ない仲間です。」
リーダーをしたがってたよな。
お前はLMBGで本当に成長できた。
大人のアイドルとのユニットが多かったお前は子どもばっかの環境に身を置くことが少なかったから、若葉さんは別としてもまだまだ未熟なメンバーをよくまとめてくれたよ。
あの経験はその後も役に立ってたよな。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 13:34:50.75 ID:P0z5mZ13O
「みんなと過ごして少し大人になれた気がします。」
君は美しく魅力的になった。
薫やみりあ、舞たちたくさんの煌きに負けない、最高のパフォーマンスを見せてくれた。
あの時のステージは今でも見返すよ。恥ずかしがって怒るけどさ。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 13:47:47.57 ID:P0z5mZ13O
「高校生になった私は、どうですか。大人に近づけたでしょうか。それとも、もう…」
今でも思い出せる。
熱望していた自分で歌を作る夢が叶って、夏樹や涼、久美子たちと遅くまで作曲して、文香や桃華、沙織なんかと辞書を引きながら作詞して、やっとできた歌を披露した日、そう言ったよな。
あの時のお前は大人だったよ。断言できる。
16:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/17(金) 13:48:19.03 ID:P0z5mZ13O
「…一緒に遊びに行ってください。アイドルとしてでも子どもでもなく、一人の女の子の相手として。」
あのステージの次の年、本当に決めたんだろうな。
自分が俺を手に入れるんだって。
レッスン着で、汗も拭かずにそう言ってくれた。上気した顔は激しいレッスンのせいだけじゃなくて、俺は、そこに女の子を見てしまったんだよな。
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