167: ◆tHYtfyUBW.[sage saga]
2018/08/15(水) 17:26:19.74 ID:L0ciGIt40
海未(雪穂はかなりの速度で走っている…あのまま走れば病院の敷地内を抜け出してしまうでしょう)
海未(…それに雪穂は『カゲロウデイズ』に接触したとみられます。そうなると能力を持っているはず。何の能力か分からない以上危険です。捕まえるしかない)
エリ「ごめんチカ。ちょっと痛いかもしれないけど…」グイ
海未「…う、うわああああ!」
エリは、海未を赤ん坊のように軽々と持ち上げ、肩に担ぐように乗せる。
エリ「いくチカ」
そうエリが呟いた瞬間、爆音と衝撃と共に、ものすごい勢いで廊下の風景が流れ出した。
海未「ぎゃあああああ!!!」
エリが足を踏み込み、その勢いで何十メートルもひとっ飛びしているのだと気づくのにおよそ二秒。
エリ「ご、ごめん。もうちょっと我慢するチカ」
エリは軽々と着地し、もう一度足を踏み込む。すると、今度は地面が一気に遠のいていく。
それは、上への大ジャンプだったのだ。
海未「……!!!」
海未は声も出せないまま、蝉の声が五月蝿く、蒸し暑い屋外へ飛び出した。
先程飛び出した窓が、既に小さくなり始めている。
エリ「あっ、みつけたチカ」
エリはそう呟くと、海未への衝撃に備えてくれたのか、担ぐような姿勢から脇の下に抱え込むような姿勢に切り替えた。
海未「…ッッッ!!!」
海未はギュッと目を瞑る。
ダンッ!!!
海未とエリは病院の前の横断歩道に降り立った。
しかし雪穂は全速力で、青信号が点滅する横断歩道を渡っていく。
エリ「あ、行っちゃったチカァ…」
すぐに信号は変わってしまい、信号無視して渡ろうにも、交通量の多さが邪魔をして渡れない。
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