海未「『ひとりぼっち』の、君となら」
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143: ◆tHYtfyUBW.[sage saga]
2018/08/15(水) 17:02:14.34 ID:L0ciGIt40
海未「え、いや、別にいいんですが、やっぱり詳しいことが聞きたくて…」

希「いや、話すべきことなんやけど…この能力のおかげでウチらは虐げられもしたんや。だから、すぐに話すことはできなかった」

希「まず、ウチがこの能力を手に入れたときの話からや」

希は、瞬きをして自分の目を赤く染めてみせた。

希「ウチの能力は、自分や周りの物体への認識を薄くする能力」

そう言うと、希はテーブルに置いてあった雑誌を手に取った。雑誌にはでかでかと穂乃果のグラビアが載っている。

穂乃果の目は、フラッシュが眩しくて目を瞑ってしまったのか半開きになっていた。

希がそれをテーブルの下に隠して数秒すると、テーブルから出した手には何も無くなっていた。

希「発動の瞬間を見られてると効果が無いんや。だから隠したんよ」

希「『これ』を手に入れる前、ウチにも親が居た。と言っても母親は血が繋がってなかったけどね。酷い父親だったんよ。毎日遊んで回った挙句に会社は倒産。それでもって最期は家に火をつけた」

海未「ぇえ…そんなことが…」

希はその壮絶な過去を落ち着いた口調で語った。

希「はは、酷い話やろ?でも、本題はここからや」

海未「は、はい…」

希「父親が火をつけたとき、ウチとウチの家族は全員家の中に居たんや。ウチは姉と二人で逃げられなくなっちゃってね」

海未「し、死んでしまうではありませんか…」

希は海未が怯えているのに気づき、意地悪な笑みを浮かべて話を続ける。

希「そう、死んだんや。いよいよ息も出来なくなって、身体も燃えた」

海未「ひいぃ…」

希「そして、その時見たんや」

希「家の壁がぐにゃりと裂けて、大きい牙の付いた口みたいなものが拡がったのを!」

海未「うわぁあ!」

希はノリノリでそう話したが、一向にその先を話さず、腕を組んで得意げな表情をしていた。

海未「………それで?」

希「ん?終わりやよ?」



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