智絵里「うさぎさんにチョップしたらタイムスリップしてしまいました」
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3: ◆vNoifR2vNc[saga]
2018/08/15(水) 11:16:07.82 ID:2c4OR7u90


智絵里「えっ…と、さっきまで、わたしは――」


そう、確か、今日はうさぎカフェの撮影のお仕事でした。

最近、“とびきりキュートな小動物系アイドルと、愛らしいうさぎのコラボ!”などと言われて、増えてきたお仕事です。


わたしがとびきりキュート、かどうかは少し自信がないのですが、うさぎさんはとっても可愛いです。なので、この日もわたしは、少しうきうきしながらお仕事に入ったのでした。


撮影は順調に進み、少し巻いて終わりましたので、自由に遊んで行っても良いと、お店の人から言ってもらえました。

なので、わたしが何匹かのうさぎさんとじゃれていると……そのなかの1匹のうさぎさんが、わたしの顔をぺろぺろし始めました。


少しなら可愛いですみましたが、あんまりされてしまうとお化粧も落ちてしまいます。

なのでわたしは、両手で抱いて顔から引き離すと、めっですよ、と軽くチョップ……本当に軽く指を当てただけの――をして、なだめたつもりでした。


けれど……その瞬間。わたしの目の前が真っ白になるくらいの光が、視界を覆ってしまって。


……そして、今に至るというわけでした。


智絵里「よく思い出してみても……やっぱり、よくわからない……あ、もしかしたら」


結局ただ思考しただけの時間を無駄にしてしまいました。でもわかったことが1つだけあります。


智絵里「うさぎさん……に、チョップ……」


そう。それをした瞬間にここに来たというなら。


智絵里「うさぎさん……ごめんね。そーっと、そーっと。えい」


もう一度チョップすれば帰れるのかも……そんな希望は、何も起きないという現実の前にあっさりと崩れ落ちました。

がっくりとしたわたしは、ふいに事務所で送り出してくれたみんなのことを思い浮かべてしまいました。


智絵里「美穂ちゃん、かな子ちゃん、藍子ちゃん、プロデューサーさん……わたし、どうしたら……ぐすっ」


いけません、思わず涙が出てきてしまいました。

でも、こんな場所に独りきりで。途方に暮れる以外、何ができるでしょう。

視界が滲むと同時に、わたしはもうだめなんだ、という想いが涙になって溢れてきました。






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