80:名無しNIPPER[sage saga]
2018/08/16(木) 16:05:17.95 ID:1RkWeFQA0
――ガチャ
友希那(紗夜の真意を推測していると、部屋の扉が開く小さな音が聞こえた)
友希那(少し驚きながら扉の方へ視線を巡らせると、そこには忍び足で部屋に入り込んできた日菜の姿があった)
氷川日菜「…………」
友希那(日菜は黙ったまま、まるで猫みたいに音もなく、紗夜の枕元まで足を運ぶ)
――カシャ
友希那『え?』
友希那(そして、スマートフォンを紗夜に向けたと思ったら、僅かなフラッシュとシャッター音)
友希那(一体何を……?)
日菜「……えへ、おねーちゃんの寝顔……」
日菜「こっそり暖房をかけた甲斐があったなぁ……寝汗を顔に浮かべて、困ったように、あるいは苦しいって風に、眉根を寄せるおねーちゃんの苦悶の表情……」
日菜「少しはだけたパジャマの胸元、それでもしっかり掛け布団をかけたままの几帳面なおねーちゃん……」
日菜「……火照った肌、そそるなぁ、へへへ……」
紗夜「うーん……胃薬……」
友希那『…………』
友希那(色々不可解なことがあったけど、全部日菜のせいだったのね)
友希那(紗夜も大変ね。身近に破天荒な人がいると……)
日菜「それじゃあ、いい夢を見てね、おねーちゃん」
友希那(日菜は満足そうに頷いて、足音を殺して部屋を出て行く)
友希那(残された私は……どうしようかしら)
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