106:名無しNIPPER[saga sage]
2018/08/19(日) 12:46:41.83 ID:L7rMXKsm0
――翌日 花咲川女子学園――
美咲「……あんまり寝れなかったなぁ」
美咲(堂々巡りの夜を目を瞑ってなんとかやり過ごそうとしたけど、なかなか夢の世界はあたしの元へ訪れてくれなかった)
美咲(明けない夜はない、とはいい意味で使われる言葉だろうけど、今のあたしにとっては残酷な響きの言葉だ)
美咲(学校に来れば嫌でもこころと顔を突き合わせることになるんだから)
美咲(いつもよりも圧倒的に早い時間の教室には、あたし以外の生徒はいない)
美咲(あたしは自分の席に座ると、ただボーっと窓の外を眺める)
美咲「いい天気だなぁ……」
美咲(自分の心の中とまるで正反対な空模様に、吐き捨てるように呟いた)
美咲(しょうもなくイライラしているのが分かる)
美咲(原因も分かっているけど、今は寝不足のせいにしておいた)
美咲(でないとまた昨日と同じことをずっと考えていそうだった)
――ガラ
こころ「……あら?」
美咲(だというのにどうしてこう、神様はあたしに対してイジワルなんだろう)
美咲(今一番会いたくない人の声を、よりにもよってこんな朝早くから聞かなければいけないだなんて)
こころ「おはよう、美咲!」
美咲「……ああ、うん」
美咲(窓の外を眺めたまま、あたしはぶっきらぼうに言葉を返す。放っておいて欲しい、という空気を醸し出しているんだけど、果たしてそれをこころが汲んでくれるかどうか)
こころ「身体の調子はどう? もう良くなったかしら?」
美咲(……まぁ、汲んでくれるわけがないか。あたしは小さくため息を吐いて、窓の方へ顔を向けたまま言葉を返す)
美咲「まぁ」
こころ「それなら良かった! そうだ、昨日ハロハピ会議で決めたことがあるの!」
美咲「……そう」
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