97:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 01:17:59.95 ID:w6V3e5/y0
「あんまり意味が無かったですよね。社内で吸わない分別は残ってたみたいですし」
「そもそも、プロデューサーさん、煙草は吸ってませんでしたよね……」
「お酒は飲んでいましたけど」付け加えた私に、ちひろさんは首を振った。
「いいえ、彼は結構ヘビースモーカーなんですよ。ほたるちゃんの前では吸わなかったかもしれないですけど」
「いえ、辞めたって言ってました」
「本当に?」
意外そうにちひろさんは呟いた。
「はい。少し前に」
仕事中に気になって聞いたことがあった。すると、その答えが返ってきた。
「なんだ……そうだったんだ」
ちひろさんは知らなかったようで、手の中のポスターをジッと見下ろしていた。
「ちひろさん。いくつか聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
「なにかしら」
「どうしてプロデューサーさんは、このお仕事に戻ってきたんですか」
関ちゃんプロデューサーは、説得されたと言っていた。
でも、単にそれだけとは思えなかった。
プロデューサーさんにとって、この仕事に戻ってくるのは楽な決断ではなかったはずだろうに。
ちひろさんは言うか悩んでいるようだったが。
「……約束が、あったんです」
ゆっくりと口を開いた。
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