87:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 01:06:31.18 ID:w6V3e5/y0
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楽屋に戻ってきたとき、私の足元はおぼつかなかった。ドキドキが止まらず、震えも止まらなかった。
「ほたる」
声に私は肩を跳ねさせた。振り返ると、プロデューサーさんが立っていた。
「お疲れ……最高だった」
その言葉に、私の緊張の糸がぷつりと切れた。
「あ、ありがとうございます。プロデューサーさん……!!」
それからこらえきれなくなって、私はプロデューサーさんに抱き着いた。
「良かった……本当に良かったです」
大成功、だったと思う。途中でなんどかミスをしそうになったけど、それも何とか乗り切れて。
歌も、ちゃんと歌うことが出来た。
「最高だったよ……ああ、本当にな!」
プロデューサーさんが思いっきり髪を撫でまわしてくる。
プロデューサーさんも嬉しかったのだ。
彼がここまで感情を現らにするのは初めてで、だから私も嬉しくて、益々笑顔がこぼれてしまった。
「さすがほたるだ。俺のアイドルは伊達じゃないな」
「私のプロデューサーさんも……伊達じゃないですから」
彼は目を丸くすると。微笑んだ。
「言ってくれるじゃないか」
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