85:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 01:03:48.71 ID:w6V3e5/y0
ゆっくりと目を開けて、手のひらのペンダントに目を向ける。白い手袋の上に載ったペンダント。
「新しいペンダントだよな」
私が顔を上げると、プロデューサーさんが覗き込んでいた。
CD発売記念イベントの、楽屋だった。
「裕美ちゃんに作って貰ったんです」
私が促すように手のひらを上げると、プロデューサーさんがペンダントを手に取った。
まるで美術館に展示されていような貴重品を持つように、丁寧に手のひらに載せて眺めていた。
「綺麗なペンダントだ」そう言ってから、また私の手の上に戻した。
「はい、本当に」
私はペンダントを首につけようとしてから、ふと気づいた。
「これ、着けてもいいですか?」
「もちろんだよ」
「ありがとうございます」
私は改めて首の後ろで止めようとしたが、うまくつけられない。
「俺がつけようか?」
「じゃあ、お願いしていいですか」
私は再びプロデューサーさんにペンダントを預けると、彼は私の後ろに回って、鎖を止めてくれる。
「ありがとうございます」
「……緊張してるのか?」
「……少し」
否定しようかと思ったが、どうせプロデューサーさんにはお見通しだろう。
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