78:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 00:54:27.74 ID:w6V3e5/y0
手を止めたプロデューサーさんは、机の向こう側から一枚の紙を渡してきた。
来月のスケジュールだ。
次に事務所に行ったのはスケジュールを受け取る為だった。
個人のスケジュールは専用のサイトからみることができるのだけど、なぜか私はログインできなくて、メールで画像を添付しようとしても、いつも破損データになってしまうから、手渡しでもらうようにしていた。
手にしたスケジュールを見て、私はちょっと感動する。
前はレッスンを示すマークばかりだったのに、仕事を示すマークが着実に増えていた。
「どうしたんだ、ほたる」
スケジュールを見つめている私が気になったのか、プロデューサーさんが訪ねてきた。
「御仕事が……増えてるって思えて……」
言葉にするだけで、私は自然と笑みが零れてきた。
「ほたるの努力のお蔭さ」
「プロデューサーさんがいてくれたからです」
彼はニコリともしなかったけど、小さく頷いてみせた。それから、パソコンの画面に視線を戻す。
いつもならこれで私は退出するのだけど、今日はその場を動かなかった。
言わなければならないことがあったから。
「……あのプロデューサーさん」
「どうしたんだ」
「私……聞きました。プロデューサーさんになにがあったか」
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