7:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 22:55:47.14 ID:S8sM1lda0
「えっ」
私はさっと血の気が引くのを感じた。
「過労でね。仕事は出来るんだけどアホでさ。自分のキャパを理解してなかったんだよ。頑張るのにも限度があるって言ってあったのに。周りに迷惑がかかるって分かんないのかね……って、ほたるちゃん?」
「やっぱり……私のせいで……」
彼女の言葉は、殆ど頭に入ってこなかった。
私なんかをスカウトしたから、不幸が起きたんだ。
「過労だっていったでしょ。なんでほたるちゃんのせいになんの?」
彼女は笑い飛ばしてくれたけど、私の不安はわだかまったまま。
その不安は、たった今起きたものではない。海の底に捨てられた自転車のように、深く胸の内に沈み込んでいた。さび付き苔に覆われるほどに放置され、もはや心の情景一部となってしまった感情。
「だって……私が不幸だから」
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