63:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 00:33:52.05 ID:w6V3e5/y0
「ちょ、ちょっと」
照れてる裕美ちゃんを抱き上げると、そのままその場でグルグルとまわりだした。
「ひろみんも最高だったよー」
「もう、なにやってるんだか」
一歩引いて見ていた千鶴ちゃんが、呆れるように呟いたけど。
「私には、やってくれないのかな……?」
ハッとなった千鶴ちゃんを、関ちゃんプロデューサーは見逃さなかった。
裕美ちゃんを降ろすと、千鶴ちゃんに抱き着こうとする。でも、千鶴ちゃんはさっと身を引いてそれをよけた。
「ちづちづ、素直になった方がいいぞ」
ジリジリと近づいていく関ちゃんプロデューサーから逃げるように、後ずさっていた。
「す、素直ですから。私」
「まったまたー」
思わず逃げだした千鶴ちゃんを関ちゃんプロデューサーが追いかける。そんな様子を見て、周囲もクスクスと笑っていた。
一方の私のプロデューサーさんは、舞台の端でお酒の缶を静かに傾けていた。私の視線に、小さく頷くだけ。
私も頷き返した。
ご苦労様はもう言ってくれていたからいいのだけれど、この距離はいつまでたっても埋まりそうとは思えなかった。
そのうちグッと傾けてから、おかわりの並んでいるテーブルに歩いて行った。
ふと目端に岡崎さんの姿が見えた。丁度別のアイドルとの話を終えたところで、彼女が私の視線に気づいた。
私は、彼女に近づいていく。
116Res/145.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20