白菊ほたる「恨みます、プロデューサーさん」
1- 20
57:名無しNIPPER
2018/08/12(日) 00:18:16.22 ID:w6V3e5/y0



 リハーサルも終わり、控室。

 すでにお客さんは入り始めていた。狭い会場だから、控室にもそのざわつきは聞こえてきた。

 裕美ちゃんの顔は、ますます強張っていくようだ。


「裕美ちゃん」


 私の声に、裕美ちゃんは我に返った。傍に居た私のことを、たった今思い出したというばかりに。それほど緊張していたんだろう。


「私がちゃんと、支えてあげるから」


 彼女を励ます為に言ってから、私は急に不安になった。


「め、迷惑になるかもしれないけど」

「迷惑だなんて。そんな……」

「あ」と、小さく声を漏らした。それから裕美ちゃんは自分の鞄を探り出した。

 取り出したのは、綺麗なペンダント。


「これ、ほたるちゃんに。新しく作ったんだ。いつでも渡せるように持ってたの」


 可愛いペンダント。裕美ちゃんが差し出してきたけど。「そうだ。私がつけてあげる」

 立ち上がった裕美ちゃんは、私を鏡と向い合せ、首にかけ、後ろで止める。


 胸元に輝く新しいペンダント。嬉しさに、頬が熱くなった。








<<前のレス[*]次のレス[#]>>
116Res/145.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice