41:名無しNIPPER
2018/08/11(土) 23:54:20.59 ID:S8sM1lda0
私を、白菊ほたるを仕事で使うことはできないと。いくつものメール。
その全て、断りの文面。
見なければいいのに、気になってメールを見て。
そのうち、とても砕けた文面が一つあった。
『貴方の頼みなら使ってあげたいのだけど、上司が首をふってくれない。あの子には悪い噂が多すぎるから――』
頭が真っ白になった。
扉を開く音。プロデューサーさんが戻ってきたんだ。
私は自分の行為を隠すかのように、ノートパソコンを勢いよく閉めた。
「なにをしてるんだ」
入ってきたプロデューサーさんは、怪訝そうな顔をした。
「プ……プロデューサーさん……」
誤魔化そうと思っても言葉が出てこなかった。プロデューサーさんが私の手元のパソコンを、ちらりと見た。彼の目に宿った感情が、明らかに変化した。
ばれたんだ。覗き見したことを。申し訳なさが溢れてきて、私は急に泣きそうになってきた。
「ご……ごめんなさい……私……その……私……!」
「なにを見たんだ」
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
私は怖くなって顔を覆い隠した。腕を引っぺがされて殴られると思った。
だって私は、プロデューサーさんを疑ってしまったから。仕事が取れないのはプロデューサーさんが手を抜いているから。そんなことを考えて。
本当は全部自分のせいだったんだ。
自分がどんな存在なのか。周りに不幸をもたらす少女。
そんなアイドルを、一体誰が使いたがるというのか。
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